友情の亀裂と頼れる存在

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「動画・・・!?そんなものを・・・。それに伍樹が俺を・・・?」 「やっぱりね。遊貴君、俺の案はもう一度遊貴君が辛い状況になるけれど、きっとそれが最後になるはずだから。遊貴君自身が証拠をとらなきゃならないんだ。それに、伍樹をこのままにしておくのもよくないから、黙らせる必要もある。これは遊貴君が嫌ならしなくてもいい。他の方法を考えるから。」 あと1回我慢すれば俺は解放される? 本当に今の状況が変わって、伍樹がもうあんなことをしてこないのなら、璃紫さんの考えを実行してみてもいいのかもしれない。 まだ何をするのか聞いてないけれど、可能性には賭けてみようと思う自分がいた。 「俺は、何をすればいいんですか?」 「それはね・・・───────。どう?出来る?」 璃紫さんの言葉に俺は何を言っているのかわからなくなった。 斡弘はその場で固まったまま動かないのを見て、やっぱり璃紫さんの案は実行するのは無理だろうと思う。 俺たちの返事を待つ璃紫さんは笑みを浮かべていて、俺たちが肯定するだろうと思っているようにも思えた。 「わかった。俺、やるよ。遊貴はこれでいいのか?こんなやり方でいいのか?」 「うん・・・。これで全て終わるなら、俺はいいよ。」 俺たちの返事を聞いた璃紫さんは、俺にレコーダーをひとつ手渡してきて、操作方法を教えてくれた。 「それで一部始終を録音してほしいんだ。出来れば相手の名前も言って思いっきり抵抗して。俺も斡弘と一緒に後を追うけど、俺のことは気にしなくていいからね?」 気にするなという璃紫さんに、そう言われてしまうと余計に気になってしまう。 その後はどんな風にしていくかを細かに打ち合わせをして、俺は本当に解放されるのか不安でいっぱいで、ただ聞いているだけだった。 時間も遅いからと璃紫さんが布団を敷いてくれて、不安な俺に気づいた斡弘がそっと抱きしめたまま横になってくれる。 大丈夫と何度も優しく囁かれ、気づけば俺は安心して眠りに落ちていた。
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