33人が本棚に入れています
本棚に追加
電話の向こうで『ゆっくりしてきなね~。』と聞こえて俺は苦笑いを浮かべるしかなかった。
「電話、ありがとう。」
俺から子機を受け取り、元の位置に戻して俺たちはココアを飲みながら、いろんな話をした。
初めてこうしてこんなに長く箕澤とは話すけれど、なぜか箕澤との間に壁を感じないことは嬉しく思う。
「俺、塾行かされるかもしれないんだ。成績が悪いってこの前、父親に言われた。」
「塾かぁ。俺は、面倒だし、行かないか・・・な・・・。」
急に身体がもの凄く熱くなってきて、呼吸が上手くいかなくなる。
助けを求めるように箕澤に手を伸ばすと、俺は抱き寄せられて気づけば唇に柔らかな感触があった。
俺・・・箕澤に・・・キス、されてんのか・・・?
呼吸が上手くいかない俺は自然に口元が緩み、その隙を狙っていたのか箕澤の舌が入り込んでくる。
「ふ、ぁっ・・・んっ・・・」
なぜか嫌だとは思えていない自分が不思議で、それどころか気持ちいいとさえ思っている。
深く甘いくちづけに俺の身体は反応を示していく。
気づけば俺はベッドに寝かされていた。
「ごめん・・・松永・・・。」
俺を見下ろす形で言う箕澤の表情が苦しそうで、寂しそうで、俺は何も言えないままに箕澤を受け入れていた。
与えられる快感にどこまでも溺れていく自分を感じながら、こんなことをする箕澤を嫌いにはなれないでいる。
自分の中に奥深くまで埋め込まれた箕澤のモノの形を、大きさを感じながら、初めての行為は全身の熱のせいかずっと走り続けているような感じを受けてしまう。
本来ならばこんなこと嫌だと言って全身で拒絶したっておかしくないはずなのに、俺と身体を繋げた箕澤の表情を見ると俺まで苦しくなり、何も言えなくなってしまった。
「松永・・・───────。」
薄れる意識の中で箕澤の声が聞こえた気がした。
箕澤・・・今、何て言ったんだ・・・?
今は、もの凄く眠い・・・、起きてから聞けばいいか・・・。
最初のコメントを投稿しよう!