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長く続いた快感で何度も熱を解き放ち、漸く身体全体に感じていた熱が冷めた俺は、箕澤に抱きしめられたその肌の温もりを感じながら、意識を完全に手放した。
目を覚ますと明るい日差しがカーテンの隙間から差し込んでいて、身体の中に何かが埋め込まれているような感覚に、昨日あったことを思い出す。
隣で規則正しい寝息が聞こえ、俺は昨日こいつに抱かれたのかと思った。
身体がもの凄い倦怠感に包まれ、すぐには起き上がれそうにもない。
思い返せば、あの身体の熱さはおそらく媚薬と呼ばれるものだろうと思う。
ココアに入れて俺に飲ませたんだろうけど、なぜそこまでして箕澤は俺とあんなことをしたかったんだろうか。
ジッと寝顔を見ていると、ゆっくりと箕澤の瞼が開いていく。
「お、起きた?おはよう。」
「あ・・・おは、よう・・・。ご飯、作ってくる、から・・・。」
俺と目が合うと、箕澤は慌てて布団から飛び出し、服を着て部屋を出て行った。
あいつ・・・何なんだ・・・?
ぐぅっと腹の音が鳴り、腹が減ったなと思ったら、昨日の夜ご飯を俺は食べてないことを思い出す。
放課後に箕澤の家のこの部屋に来てからココアを飲み干して、身体が熱くなって意識を飛ばすまで抱かれ続けていた。
確か昨日、あいつは俺に謝ってきたけれど、あの謝罪の意味は何だったのだろうか。
それに、意識を手放す少し前に箕澤が何かを言ってた気がするけれど、今の箕澤の状態だと聞けそうにない。
今日聞けなくても、また次があるだろうし、冬休み中に連絡が取れないとしても、3学期もあるしと自分に言い聞かせる。
トーストとベーコンエッグ、ウィンナーにサラダ、マグカップに飲み物を、大きなトレイに2人分乗せて箕澤が戻ってきた。
結局ぎこちない雰囲気の箕澤に、俺は抱いた謎を聞けないまま脱がされた服を着て、朝食というよりはブランチになるトーストやベーコンエッグなどを平らげ、昨日と同じホットココアを飲み干す。
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