episode205 迷走幻夜②

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「行く……お兄様と行くよ……」 その首に両腕をまわすと 胸元にピッタリと頭を預け僕は答えた。 「どこへでも?」 「うん……どこへでも」 海風に髪が躍る。 「僕……やっぱりあなたがいないとダメなんだ……」 今は――何もいらない。 「あなたもそうでしょ……?だから僕を迎えに来た」 ただこのまましっかり 抱いていて欲しかった。
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