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episode205 迷走幻夜②
「あれはダメ。あんなの客の方がまいっちゃうよ」
「そりゃ綺麗だけどさ――まるきり生きた人形だもの」
それから
気が付けば2日経っていた。
「おい!いくらなんでも全裸でフラフラする奴があるか!」
「いいでしょ、別に。喉が渇いたんだ」
水を求め廊下に彷徨い出た僕に
ジンが慌ててガウンを被せる。
「ったく……!ほらよ」
ペットボトルを受け取ると
「どうせもうすぐ売られて行くんだし――今日でしょ?」
僕はその場で
零れるほど煽って笑った。
「で?何時の船?行先は?」
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