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「…いらっしゃいませ!」 バタバタと焦って段差につまずきながらも なんとか入口に向かえば そこに立っていたのはやはり、 あの2人どちらでもない初めて見る。 声に似つかわしい綺麗な女性だった。 「ごめんなさい、休憩中でした?」 「ああ、いえ。」 「よかった。でも、予約をしていないの。 忙しいようだったら出直すわ。」 「ああ、いや。 大丈夫です、とっても空いてて…あの。 ご案内いたします。」 急いだせいか心臓がうるさくする。 にしても落ち着かなさすぎじゃないか。 というかそんなに急いだ覚えはないぞ。 ああ、この人に音が聞かれてるんじゃないか。 第一なんでこんなにしどろもどろなんだ。 変に焦っている自分が恥ずかしくて 唇を噛んでしまう。 店内は空いているどころか 私とこの女性以外誰もいないので 特に何も考えず適当な席に案内した。
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