七月

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久々に晴れた昼休み。 私は英里奈ちゃんと中庭の定位置にいた。 「気持ちいいね、ここ。周音が足を運ぶの分かるわー。」 「でしょう?ま、今からが地獄だけどね。暑いから図書館にしようか悩んでるとこ。」 「アハハ!…しかし、期末は凄かったね。生徒会が上位を占めてたね。」 「…あー、そうだっけ?」 「プッ!興味なし!さすが周音。」 「ちょっとそれ、どういう意味よ。」 共にお弁当を頬張りながら過ごす時間は楽しいものだ。 心から笑っていられる気がする。 あれから、データ化しなければならないものはすべてやり終えた。 朝早く来て、教室に持ち込んで、 昼休みも放課後も潰して、 家に持ち帰って、 僅な時間も処理を優先し早急に終わらせた結果、梅雨明け前までにすべて終わった。 今日、梅雨明け宣言され、晴れ渡る青空を眺めて過ごせるリラックスした時間は、自分の努力の賜物だ。 心の整理は難しく、好きだと思えば思うほど溺れていきそうな感情を抑えるためには必要だった。 「ときに周音さん?」 「んー?」 「かなり噂になってるんだけどさ。」 「何が?」 「あんたと会長。付き合ってること内緒じゃなかったの?」 「……え?」
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