序章

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「うわ、いたんだ。珍しい。」 「やだ、酷いわ。この子ったら。」 朝起きて一階に降りると、リビングのソファで寛ぐ母の姿があった。 いつぶりだろう? "家にいる"母の姿を見るのは。 「ああーん!いつ見ても可愛い子だわ!さすが私の子!」 「…うっざーー。」 「何?反抗期かしら。」 「私は万年反抗期ですよーだ。」 「可愛いわ!チューさせて!」 「やだよ。もう。…わっ!」 私のところにダッシュしてきた母は、抱きつくなり頬にキスをしまくる。 恐らく、こんな天真爛漫な母を知るのは、世界に二人しかいないだろう。 父と私だけ。
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