五月

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あれから朝比奈倭からなんの音沙汰もない。 「ペットになれ」という衝撃の命令はまるでなかったようないつも通りの日常だ。 すれ違った芸能クラスの人たちの話によれば、朝比奈倭はライブで地方へ行っているらしい。 週末に休日出校しているんだろう。 だったら会うこともないはずだ。 「周音。」 「んー?」 「ゴールデンウィークはどうしてる?」 「特に計画はないけど。家でのんびりしてるかもね。」 「…くっ、いいなぁ…」 「あー、分かった。集中講習?」 「朝から晩まで入れられたぁ!」 「フフ。御愁傷様。休み明けには試験あるんだから、ラッキーだと思わなきゃ。」 「一日くらい、一緒に遊ぼうよ。」 「塾休みあるわけ?」 「ないに決まってる。」 「そんなガッツポーズしながら言わないで。じゃあこうしよう。 うちにお泊まり会。塾の帰りにうちに来て、翌日うちから塾に行く。どう?」 「やった!帰って親に聞いてみる!」 英里奈ちゃんの笑顔が弾けた。
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