序章

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父も元々俳優だった。 しかし、母と出会って結婚し、自分が演じるより母の演技を撮る側になりたいと言って、俳優をやめた。 …すごくワガママなヤツだ。 私、神尾周音(かみおあまね)は、その大女優と大物プロデューサーの娘。 「…ねぇ、周音さ、女優になりなさいよ。周音はきっと売れるわよ?可愛いから。」 「興味ない。」 「どうしてよぉー!周音ほど完璧な女優はいないのにぃー!」 「あー、うっざーー。ご馳走さま。」 「やーん、周音ーー!ママを見捨てないで!置いてかないでー!」 「調子いい。親に見捨てられてるのはこっちだっていうのに。」 「ウグッ!…む、胸が苦しいわ!お願い、救急車を!」 「10秒待ってれば治るから要らない。」 両親は私を溺愛している。 家に帰ってこないけど、一緒の時は愛情はたっぷり与えられる。 親が家にいないのはもう慣れた。 小さい頃は寂しかったけど、今は自由気ままな独り暮らしを満喫している。
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