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両親の母校である鷲尾学園は、進学科、普通科、情報科、芸能科の四つの科がある。
「同じ高校に行かせたい」という両親の強い希望で入学して二年経った。
偏差値はさほど高くはない。
両親が常にいない私にとって、家で勉強することは唯一の楽しみで、自慢じゃないが勉強だけは昔からよくできた。
ゆえに試験は私が常にトップだ。
身体を動かすことも好きな方。
だからスポーツもわりとできる。
しかし、両親揃って有名人の私は、その理由で目立ってしまうことが嫌い。
自分はそっちの世界に興味はない。
目立たないように過ごすことを心がけ、他人と必要最小限の会話しかしない私は、いつしか"高嶺の華"と言われるようになった。
そこに母が言った「完璧な女優」の意味がある。
伊達眼鏡をかけ、表情を崩さず、家では一切見せないよそ行きの私になる。
……母のように。
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