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かつて…
ウチのご主人様は、神様のダンナに向かって勇敢にも戦いを挑んだ。
そして、その結果、苦い敗北を味わい…ウチのご主人様は神様のダンナからペナルティーとして、
『これから未来永劫、ワシの息子、イエスの誕生日の夜だけは世界中の子供達にプレゼントを配って善行を積むように』
という、物凄く屈辱的な罰ゲームを課せられてしまったのだ!
しかし…
最初は渋々、プレゼント配りをやっていたウチのご主人様だが、
最近は何だか楽しんでいるようにも見える。
最初は、赤い服を着て
「私はまさに血の色を身にまとっているのだ!」
なんて鼻息荒く言っていたが、
最近は「子供達に綺麗な色だねって言われちゃってさぁ」とめちゃくちゃ嬉しそうだ。
実は…
石化している兄弟達には悪いが…俺も少しだけ、この罰ゲームが最近、素敵かもと思い始めている。
確かにカナリ疲れるけどね…。
と…
「やあ!お待たせ!ゆっくり休めたかい?」
夜空を眺めながら一服していたウチのご主人様が、休憩中の俺達の元に戻って来た。
そして…
満面の笑顔で言葉を続けた。
「さあ!お前達!
ラストスパートだ!世界中の子供達がワシらのプレゼントを待っておるぞ!配りに行こうじゃないか!メリークリスマス!!!」
そう…。
ウチのご主人様…
クリスマスの時だけは、
『つづり』を入れ替えて『サンタ』と名乗っているけど、
本来の本名は…
『サタン』である……。
…何だかなぁー……。
【正邪(聖者??)の行進】
~END~
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