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博士の研究所は理緒の父親が買い上げた。
莫大な金が動いたが、富豪の社長には痛くない額だったし、研究所で作られる物はヒット商品として売れると言う目算がある。それらが全て自分の会社のモノになるなら、悪くない話だった。
博士は何か感じる所があり、美しい少女、理緒と繋がりが持てるのであればと、期待を持ち、話は上手く纏(まと)まった。
理緒は博士の研究所に足しげく通って、研究のプロセスや結果を、その目で確認にしに来た。
それから×年が経ち、理緒はC学2年生になる。
「今日は、ばかに来るのが遅かったね。研究所の職員は皆んな帰ったよ。私ももう帰る所だった」
博士が研究所の所長室に入って来た理緒に言う。
「別に、研究所に誰も居なくてもいいわ。合鍵があるし。今日は学校で父兄も含めた集会があったの。校長からの話や質疑応答が長くて遅くなったのよ」
学生服のブレザーを着た理緒は、所長室のデスクに近付くと、その上に学生鞄を投げる様に置く。
理緒の身体にはまだ大きな椅子にドカッと乱暴に座り、背をもたれかけ、今日1日、博士が研究した事を記した日誌を見た。
「どんな話があったんだい」
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