11人が本棚に入れています
本棚に追加
「そう言わず、たまには子供らしく遊んだらどうだい。遊びも魂の学びだよ。愛もね」
「愛？」
「愛したり、愛されたりして、人間は心を崇高なものにしてゆくんだよ、君もいずれ学ぶよ」
「崇高ですって？ あーっははは！ 博士は、今まで何人の人間を愛したり、何人の人間から愛されたりして、どれだけ崇高な心を持てたって言うの？」
「そうだね、愛を知って、崇高になる所か、逆に卑しくなる事もあるね、私は君と出会って卑しくなったかも知れない」
博士は、久し振りに理緒と２人きりで話せた事で、容易く心のタガが外れた。
「私と出会って？」
「君は美しく、そして、壊れている。危険な存在だ。愛したらいけないと思えば思うほど、ゾクゾクする」
「私を愛したいみたいじゃない、そうなの？
そんな目で、いつから見ていたのよ」
「秘密の共有をしようと決めた日から、いや、初めて、その姿を見た時からかも知れないね」
最初のコメントを投稿しよう！