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秘密の共有。いつか理緒が博士にしたプライベートな頼み事。あの時、理緒は言った。
「用意して欲しいモノがあるの。博士に出来る?」
博士は、それに出来ると答えた。
「博士に愛されたら、私は崇高な心になれる? あーっはははははははは! お腹が痛い。笑わせないで」
「そんなに可笑しいか? 私と愛し合えたら、君のイカれた頭のネジも直るかも知れないよ」
「愛なんていらない。大人にならない身体が欲しい!」
「君は、水面に映る自分の姿に口付けしようとするナルキッソスだ。でも、姿を変えるのは白い水仙の花ではないね、美しくて不気味な黒い薔薇だ」
「えぇ、私は私自身だけを愛しているのかも知れない。だって、私はこの世で一番に美しいもの。美しいと思うから、博士も私を愛したいと思うんでしょう?」
「そうだよ。理緒君、君は何て美しく、不気味なんだろう」
「さっきから、不気味だなんて失礼じゃない」
「私と遊ばないか? 理緒君」
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