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部屋をノックする音。
「どうぞ。」
「失礼いたします。憧御坊ちゃま、ダージリンを‥‥」
ふふふっ。
切れ長のセクシーな瞳を少し見開いて瞬きをする大和。
「どうしたの?」
わざとキョトンとしてみせる僕。
意外と僕ね、演技上手いんだよ?
「なにを‥なさっておいでなのですか。」
「あのね?本が見当たらないの。昨日の夜も読んでたのにどこにやったのかなって」
そう言う僕はふっかふかで真っ白なベッドの上、制服のシャツに下はズボンは脱いじゃってグレーのショートボクサーパンツ。
もちろん大和がドアを開けた時のポージングは、お尻を向けた状態で四つん這い。棚を漁るふりをする。
「とりあえず坊っちゃまはお着替えを済ませて下さい。私が本をお探ししますので。」
ため息でも吐きそうな顔でそう言う大和。
あれ?作戦失敗?
僕、ただの面倒くさい御坊ちゃまって思われたの‥?
なんで僕のお尻に釘付けになってくれないの?
僕こんなに頑張ってるのに‥
「うぅ‥」
まただめだった‥
「坊っちゃま?」
だめだ。
泣いちゃだめだ。
また面倒くさいやつって思われる。
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