第1章

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* 部屋をノックする音。 「どうぞ。」 「失礼いたします。憧御坊ちゃま、ダージリンを‥‥」 ふふふっ。 切れ長のセクシーな瞳を少し見開いて瞬きをする大和。 「どうしたの?」 わざとキョトンとしてみせる僕。 意外と僕ね、演技上手いんだよ? 「なにを‥なさっておいでなのですか。」 「あのね?本が見当たらないの。昨日の夜も読んでたのにどこにやったのかなって」 そう言う僕はふっかふかで真っ白なベッドの上、制服のシャツに下はズボンは脱いじゃってグレーのショートボクサーパンツ。 もちろん大和がドアを開けた時のポージングは、お尻を向けた状態で四つん這い。棚を漁るふりをする。 「とりあえず坊っちゃまはお着替えを済ませて下さい。私が本をお探ししますので。」 ため息でも吐きそうな顔でそう言う大和。 あれ?作戦失敗? 僕、ただの面倒くさい御坊ちゃまって思われたの‥? なんで僕のお尻に釘付けになってくれないの? 僕こんなに頑張ってるのに‥ 「うぅ‥」 まただめだった‥ 「坊っちゃま?」 だめだ。 泣いちゃだめだ。 また面倒くさいやつって思われる。
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