第1章

8/48
前へ
/48ページ
次へ
「憧!はよ!」 僕の肩を後ろからポンと軽く叩いてやって来たのは友達の東条 葵。名前の通り爽やか男子。 「はよ、あおちゃん。」 「なんかさっきすっごい悲鳴したんだけど、何があった?」 「僕も分かんない。」 「ふーん。 てか憧、お前どうした?寝不足?」 「失礼だなあおちゃん。」 「だってなんか‥‥美味しそうなん顔してる。」 寝不足な顔が美味しそうってどういう意味‥‥って! 「だめだめだめ!」 僕は近付いてくるあおちゃんの顔を慌てて両手で押しのける。 「ちょっ、なにすんの!」 いつもは美形のキスは拒まずの僕だけど、これからはそうはいかない。 「僕はもう王子様のものなんだもん」 「はぁ?」
/48ページ

最初のコメントを投稿しよう!

45人が本棚に入れています
本棚に追加