サンタと森

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憂鬱だった。 だいたい下着姿に武器なんて自分の姿に情けなさを痛感するし、第一誰かのために戦うぞというキャラでもない。逃げ出したくて仕方なかったが、隣でいまかいまかと構えるタケルの顔を見るとそうもできない。途方に暮れていた時 「きたっ」 タケルは声を放つとともに、飛び出していく。 サタンは後れを取って追いかけた。 タケルがタコの足をめがけて放った矢は見事命中。 タコの唸り声が響く。 地響きにより体が大きく揺れた。 同時にタコの足がうじゃうじゃと現れ暴れた。 一本がタケルの腹部に直撃し地面にたたきつけられた。腹部の痛みと唸り声に耳を抑えもがき苦しんでいる。 サタンも膝をつき地面の揺れに耐えていた。 熱い 体中の水分が沸騰しそうだ 知っている この熱を 知っている この興奮を 熱に侵され爆発的に跳ね上がる 捕えようと伸びてくる足を打ち抜き、すり抜ける 怒り狂ったタコが水面上に頭をだす 80%は水面上にあらわれた タコの足はぬめり足を置き換えるたびに滑りそうになるが頭に向かって足を飛び回る だが、足を滑らせた 即座に短剣を足に刺し体制を整えようとしたが、身に裂け目ができそのまま湖に落ちてしまった タケルもなんとか膝を支えに上半身を起こし、矢を放ち続ける 「やめてぇぇぇえええ」 タコの唸りに甲高く透き通るような女性の声が混じる。 タケルは声の主を探した。 今まで逆光で見えなかったが、タコの足の一本に巻き付けられた女性がいた。 近くに向かって矢を放っていたのだ。 上半身は人間と同じだが、下半身は魚のような見た目をしていた。 よそを見ていたタケルに足が絡みつく 彼は急いで矢を構え放った
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