サンタと空

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「おかえりなさーい」 最初の酒場に戻って来ていた。 正式にはサンタ出張所と呼ばれる所らしい。 任務を終えたサンタたちが休憩をとっている。 サタンの体から耳や尻尾は消えていた。 「初任務、お疲れ様です。真っ黒ですねー、服は…濡れてるだけみたいですね。乾燥させましょう」 リズはそう言って、サタンの手元から乾ききっていない服を受け取り消えていった。リズはいつも忙しなく働いている。 サタンはシャワーを浴びることにした。皮膚呼吸を許さない真っ黒な液体を洗い流してしまいたかったからだ。 湖に落ちた後の記憶がなかった、気づけば酒場に戻っていたが戻って来れたということは任務が完了したということらしい。 少年の願いをどうやって叶えたのか知らなかった。 シャワーから上がり酒場に戻る。 「お、新人。どうだー、上手くできたか」 背が高く細いが程よい筋肉をつけた若い男のサンタが、肩に手を伸ばし席に座るよう促す。男の天然パーマが顔にあたる。 「はい」 「ガハハハハ、そりゃよかった。相当頑張ったみたいだなぁ」 小さな声で返答するサタンの何倍もの声で男は笑う。 俯くサタンの前に、茶色い液体の入ったマグカップが置かれる。 「ココア、体温まるよ」 アイがココアを運んで来てくれた。 「アイちゃん、俺にもビール」 男の声にアイは怪訝そうな顔をしてカウンターに入っていった。 入れ替わりでリズがこちらへやってくる。 「乾きましたよー、漂白剤使う必要もなかったですよ。所長のお古ですから大切に着てあげてくださいね」 そういってリズはサタンにより白くなった服を渡した。
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