サンタと空

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サタンは酒場で出会った男に連れられ二つ目の任務へと向かっていた。 男の名はブライト。この仕事を始めてずいぶん経つらしい。 ブライトは色々教えてくれた。 今朝あった老人が所長らしい。彼はあまり顔を出さないらしく、現にリズも今朝三ヶ月ぶりに顔を合わせたという話をしていたのを小耳に挟んでいた。 リズとアイが作り出すゲートは町中に存在し、これから向かう予定の北の空と呼ばれる台地は薬局のトイレの扉がゲートになっているらしい。空の大地は比較的裕福な家が多く、願いも物欲が多いため簡単なものが多いという。その上、報酬は高いため人気の任務地だという。 「さぁ、ついたぞ」 ブライトの声がした。 そこには高層ビルが立ち並んでいた。圧巻の景色、こんなに高い建物なんてみたことがなかった。所がある町とは建物の数も大きさも違う、どちらかというと今朝訪れた木々の森に近い。 サタンは首が痛くなるまでずっと顔をあげビルの森をみていた。 その間、ブライトは手に持ったタブレットで依頼とにらめっこをしていた。 「おい、新人くん。これなんかどうだ」 ブライトのタブレットには依頼書が表示されていた。 灰をかぶったようなグレーの髪、深い色の肌で重くまぶたが乗った目から輝く月光のように黄色く光る目。 名前はアスラン。9歳。男。願い、サッカーボールがほしい。
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