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サタンは地下へ続く階段を降りていた。
背中がズキズキ痛むので左手で腰を擦りながら、右手にはプレゼントを持っていた。
依頼書に目を通した後、プレゼントを手配した。報酬全てを注ぎ込んで1番高いのを選んだからきっと喜んでくれるだろう。
痛みはあったが足取りは軽やかだった。
地下の一室の扉を開くと、手入れの行き届いたキッチンが目に入る。コンロの前にお玉を持ったままお尻をフリフリしている小さな少女がいた。鼻歌も聞こえてくる。
「あのー、こんにちはサンタです」
「誰っ!」
少女は慌てて振り返る。アスランと同じ髪色の少女は顔を真っ赤にさせた。
「こんにちは…ルゥです」
「あ、プレゼントをお届けにきました。サンタです」
サタンはプレゼントを渡す。
ルゥは顔を輝かせて包装を破いてゆく
三ツ星シェフにによる本格ディナー上級
サタンはウキウキとルゥの喜ぶ顔を待っていた
だが、彼女の顔は曇ってゆく
「ルゥ、お菓子の本がよかった…こんなの作れないよ」
鋭い目がサタンへと投げられる。
そんな…言ってくれなきゃわからないよ
上手く任務をこなせなかったとサタンは少しだけほほを膨らまして凹んだ。
「サンタさん、作るの手伝ってくれる?初めてのお菓子を作ろうと思うの」
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