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湖の中央部でも気泡ができていた。
何事だろうかとと思っていると、周辺の静けさに気づいた。おかしい。小鳥の歌声が聞こえない。うさぎもシカの親子も他の動物達も消えていた。
突然何かがぬめったものが足に絡みつく。急いで湖から出ようと思い体をひねったが、もう遅かった。体は湖に引き込まれる。一瞬のことだったが、肺いっぱいに空気を詰め込み両手で鼻と口を押さえる。目を開くと痛かったが、何が起こっているかを知るため懸命に開ける。
湖の底にはサタンの何百倍もの巨大なタコのような生物。しかしタコとは違いあしが何百本とある。足に絡まっていたのはその1本だった。
奥底の2つの瞳がこちらを向いて光った。
逃げなきゃと思い足掻こうとしたが、もちろん泳げない。泳ごうと思い手で水をかいたため、空気を抑えることを忘れていた。
開いた口から空気の泡が抜けていく。
全身に酸素供給がされなくなり体がいうことをきかないことを知ったとき意識が途絶えた。
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