クリスマスの奇跡

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…休日明けに出社してみると、会社は大変なことになっていた。 部長の席から綺麗に荷物が消えている。 …同時に、私の隣の席も空になってるんだけど…。 「先輩。おはようございます」 「……佐伯くん?」 ストンと、躊躇いなく隣の席に座った彼を見上げる。 「今日から此方の部署に異動になりました。佐伯です。また、よろしくお願いしますね。先輩」 「……あ、の。部長は?」 厳密に言うと、もう一人いない。 …まさか。と言う思いが頭をかすめる…。 説明を求めるように彼を見ると、彼は悪気なくふんわりと笑った。 「…言っておきますけど、俺は冗談だなんて一言も言ってませんからね」 「…え…」 …確かにあの時は私が勝手に冗談だと思っただけだった気もするけれど…。 「先輩の所の男前部長は左遷。あの女は首になりそうです。…彼女、芋蔓式に女子社員の人気が高い男性社員狙って食い散らかしてたのばれたみたいだし、この会社にいない方が彼女の為ですね。…まぁ、そんなことよりも、先輩?」 そう言った彼は、耳元で囁いた。 「……誕生日プレゼント、忘れないでね」 end
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