トラブル注意報!『僕』は天気で、『私』雨!?

44/61
前へ
/552ページ
次へ
私と瑞希お兄ちゃんへと、迫ってくる渕上達。 これを受け、私も戦う覚悟でいたんだけど――――― 「なぁ~に、ハシャいでんだよぉ~!!?」 ゴスッ! 「ぶはっ!?」 突然、敵の1人が倒れた。 見れば、目を見開いて伸びていた。 「え!?」 (こ、今度はなに!?) 「ずいぶんえらくなったもんだなぁ~渕上?」 そう言って、目を向いている奴をまたぎながら現れたのは―――――――――― 「アルバイトがAVとか、笑えるんぞ、尻軽が!」 「高千穂!?」 (カ、カンナさん!?) 制服姿の高千穂カンナさん。 途端に、ヤンキー女達の顔色が変わる。 「た、高千穂だ!」 「爆裂弾のカンナ・・・」 「鬼姫の高千穂カンナだ・・・!」 明らかにビビっている。 それにカンナさんは、表情を変えることなく言った。 「おい!オメーら、あたしのツレ『2人』に何してくれてんだ?」 (え!?二人!?) そう言いながら、ぷーとガムをふくらませるカンナさん。 (行儀が悪いな、カンナさん・・・。) でも、どうしてここにいるのかな?? (というか、2人って?もしかして、私もカウントに入れてくれてるの・・・) 気になった疑問を、渕上の仲間が聞いてくれた。 「ツレ2人!?おいおい、帽子はともかく、あの制服のダサいのは違うだろう!?」 「高千穂、さんとは、学校だって違うじゃねぇか!?」 「ルノアの学校の問題に、口ツッコむなよな!」 「正義の味方気取りかよ!?」 「じゃー、オメーらが悪役に化けんのか?」 パンッ! 低い声と、ガムフーセンの割れる音。 「あたしに説教するとは、いい度胸だな~・・・?やんのか?」 そして怖い顔。 それで、抗議していた女達が青くなる。 「ひっ!?」 「あ、あたしら、そんなつもりじゃ~」 「ルノアさん!」 「どうします・・・!?」 慌てた手下が親玉を呼ぶ。 いつもだるそうで、変化のない渕上月乃亜。 「高千穂・・・・!」 初めて見る。 (渕上のイラ立つ顔・・・・。) 私に向けていた顔とは違っていた。 焦るような、睨むような、悔しそうな表情。 そんな渕上に、くちゃくちゃと口を動かしながらカンナさんが言う。
/552ページ

最初のコメントを投稿しよう!

451人が本棚に入れています
本棚に追加