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「ずいぶん、召使増やしたなぁ~渕上?崖っぷちだったんか、オイ?」
「・・・・あんた、ここでなにしてんだよ?」
「ぷっ!お嬢様と違って、こっちは労働しなきゃダメなんだよ~けど、オメーAVとか言ってたなぁ~?初バイトにしちゃ、大人の階段駆け上がり過ぎだぜ?」
「あんまり、生意気言わねぇ方がいいぞ・・・!?」
「はあ?なになに?『あたちのパパとママは有名人でお金持ちでちゅよ~逆らうとひどい目にあわしちゃいまちゅよ~』とでも言いてぇの?魔法の呪文使えば、日本人全部が奴隷になるとでも思ってんのかぁ~この勘違い女が!」
馬鹿にするように笑ってから、ペッとガムを道路に吐き捨てる。
(カッコいいけど、マナーが悪いよ、カンナさん!)
〔★気にする点がズレている★〕
「で?るのあちゃんはどうしたいんですかぁー?」
そう言った時、カンナさんはもう笑ってなかった。
口調は楽しそうだけど・・・
「今すぐ『獲物』置いて消えるか、あたしに消されたいか・・・・好きな方選べよ~性格ブス?」
鋭い視線と、威圧的な態度。
(まるで・・・初めて会った時みたいに・・・・)
〔★怖かった★〕
「オラ!なに黙ってんだ!?気遣いも出来ねーのか、ハンパもん!?」
「・・・チッ!行くぞ。」
カンナさんをニラんでから、渕上が言う。
それで、青い顔でやり取りを見ていたヤンキー達も動いた。
「フッチーがそういうなら・・・!」
「行こうぜ・・・!」
「るーちゃん、あのブスはいいの・・・?」
「うるせぇよ。」
渕上の仲間の1人が、私を見ながら聞く。
これに渕上は、こちらを見ずに、速足で離れていく。
「覚えてろよ、地味女!」
「高千穂が来たから引き揚げんだ!」
「運の良い奴が!いい気になるよ!?」
ある程度、距離が離れてから叫ぶ取り巻たち。
捨て台詞を吐く姿を、負け犬だと思う。
「けっ!負け犬が吠えてんじゃねぇーよ!」
(まったくですね・・・)
逃げるように去っていく姿に、カンナさんも私と同じことを思っていたらしい。
それでやっと、安全な瑞希お兄ちゃんの腕の中で、助かったと息を吐いた。
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