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「じゃあ、あたしはアウトってことすね~」
「そうなるな。それにこの子、まだ怖がってるみてぇーだし・・・・俺が少し側にいて落ち着かせるわ。」
「はあ、真田先輩がそう言うならいいっすけど。」
「それでわりぃーけど、俺の代わりに頼まれてくれねぇー?」
そう言うと、ポケットから出した四つ折りの紙をカンナさんに渡す瑞希お兄ちゃん。
「そこに書かれてる物を、買ってきてくれ。おつりで、高千穂の食いたい物、買っていいぞ。腹減ってるだろう?」
「マジすか!?あざーす!」
差し出された紙を受け取ると、自分のポケットに入れるカンナさん。
「ちょうど、小腹が減ってたんすよ~どのパンにしよっかな~♪」
「パン?」
思わず、もらした声。
凛道蓮の癖で、聞いてしまった。
これに笑顔で、カンナさんは答えてくれた。
「おう!この近所に、美味いパン屋があってよ~真田先輩・・・あ、この人な!お前を助けてくれた人!この人が、お店で使いたいってことで、買いに来たんだよ。」
「あのパン屋さんのパンを?」
「あたしは、付き添いなんだよな~」
それで謎が解けた。
(なんで、瑞希お兄ちゃんが私の前に現れたのか・・・・!)
自宅とも、職場とも、関係ないこの場所になぜいたのか。
カンナさんと一緒にいた意味がわかった。
(あの美味しいパン屋さんのおかげで、助かったんだ・・・)
〔★美味しい食べ物は幸せを呼ぶ★〕
考えてみれば、あのパン屋さんはカフェなどにもパンを置いてもらっていると言っていた。
バリスタである瑞希お兄ちゃんが、コーヒーに合いそうなパンと聞いて、調査しに来ないはずがない。
パンを買いに来た途中で、私のピンチを見つけて駆けつけてくれたんだ。
(すごい奇跡・・・!パン屋さんがあったのもだけど、裏道に逃げ込んだ自分をほめてあげたい・・・・)
〔★ほめて良いことだった★〕
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