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瑞希お兄ちゃんのバイクの後ろに乗り、連れてこられたのは町中だった。
辺りは暗くなっていて、仕事帰りの人達の帰宅も増えていた。
「ほら、着いたぜ?」
「ここは・・・」
バイクを止めて、案内してくれた建物。
ご近所には、可愛い洋服店やおしゃれなダイニングバーが並んでいた。
テナントビルなのかもしれないが、まるまる一軒、それ専門のお店だった。
「ここがなじみの店・・・・?」
「なかなか、綺麗だろう?」
「ええ、まぁ・・・・」
キレイではありますが・・・・
とても清潔そうで、看板や外装も素敵だけど・・・・
「『占いの館』・・・・・?」
瑞希お兄ちゃんが連れてきてくれたお店に、目が釘づけになる。
占い?
え?占い??
「ああ、ここは占いの店なんだ。」
(ですよね―――――――――――――――!?)
バリスタの卵である瑞希お兄ちゃんのなじみのお店と言うから!
本格コーヒーショップか、美味しいカフェインが飲めるお店か、コーヒー関係のお店を想像していましたが!
「占いですか・・・・!?」
(予想外・・・・)
〔★同じサービス業ではある★〕
「ほら、おいで。もう連絡はしてあるから。」
「れ、連絡!?」
手を引かれ、うつむきながらついて行く。
(誰に通報したって言うの!?まさか、私の家に・・・・!?)
いやいや、それはない!
教えてないし、わかるはずないし、まだ気づかれてないはずだから・・・!
手のひらに汗を感じていれば、明るい声で瑞希お兄ちゃんが言う。
「心配しなくていいよ。怪我した女の子が1人来るから、アフターケアーをよろしくってな?」
「ええ!?だ、誰に・・・!?」
「お兄さんと仲良しの人で、この占いの館の人気ナンバーワン占い師さん!」
「はあ!?」
(なにそれ!?怪しいツボでも売りつける気!?)
〔★凛の不安が増した★〕
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