トラブル注意報!『僕』は天気で、『私』雨!?

58/61
前へ
/552ページ
次へ
「心配しなくても、変な水とか売りつけないからさ~」 「い、いえ!そういうことは思っておりませんので~」 (半分は当たってるけど~) いや、でも、これは~ (瑞希お兄ちゃん、何を考えてるの~??) 「あら、瑞希君じゃない?」 ふいに、女性の声がした。 見れば、私達の進行方向から、着物を着た女の人がこっちに来ていた。 上品で、綺麗で、口元の北路にドキッとした。 和風美人だった。 「あ、水月(すいげつ)さん、こんばんは!」 「どうしたの?学生さんと一緒なんて?」 「いや、ちょっとこの子を保護してもらおうかって~」 「ああ、ヤンキーにいじめられた子?こんばんは、占い師の水月です。」 瑞希お兄ちゃんの後ろに隠れている私に、大人のお姉さんが微笑む。 顔を見られないようにしながら、頭を下げた。 それで綺麗な笑い声がした。 「あらあら、まだ怯えてるのかしら?でも大丈夫、ここは安全だからね?」 そう言って、私の頭をナデナデしてくれた。 (良い匂い・・・・) 彼女が動くたびに、お香のような香りが漂う。 気持ちがリラックスした。 私の肩を優しく叩いてから、瑞希お兄ちゃんが言った。 「あの、『あいつ』どうしてますか?」 「ナイスタイミングで、お仕事が終わったところよ。というより・・・・瑞希君が来るから、仕事切り上げたみたいね~」 「マジっすか?あの馬鹿は・・・すんません!」 「うちのことは、気にしなくていいわよ。ちょうど、瑞希君のお連れさん用に、救急箱を取りに行くところだったのよ。あの子の部屋で待ってなさい。」 「す、すんません、ありがとうございます。さあ、行こう。」 着物の女とあいさつを交わすと、お互い歩き出した。 (綺麗な人・・・) あの人も占い師って言ってたよね? わかる気がする。 立ち振る舞いとか、仕草とか、なんかオーラみたいなのがあってひきつけられた。 (というか、瑞希お兄ちゃんの行きつけの店が『占いの館』なんて・・・) 意外と、そういうこと信じる方? (また1つ、瑞希お兄ちゃん情報をゲット!!) 〔★凛のLOVEデータが更新された★〕
/552ページ

最初のコメントを投稿しよう!

451人が本棚に入れています
本棚に追加