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好きな人のことを知れて、嬉しく思う半面、ちょっと不安にもなる。
(もしかして・・・・陽翔さんが亡くなってから、スピリチュアルな方へ関心を持ったとかじゃないよね・・・・)
そこまで考えて気持ちがしずむ。
優しい彼ならあり得るけど・・・問題はそこじゃない。
(それはそうと・・・・・・・これから会う占い師が、『彼女』とか言わないよね・・・・!?)
瑞希お兄ちゃんと再会してから、私は重要なことを聞きそびれていたことがある。
(そう!恋人の存在!)
〔★一番に聞くべきことだ★〕
(再会までの展開が、あまりにバタバタしすぎて聞きそびれてたけど、実際どうなの!?)
瑞希お兄ちゃんって、彼女いるの!?
そういう話にもならないから、気にしないできちゃったけど!
普段の様子から、いないだろうと決めつけていたけど・・・!
―俺の行きつけの店なんだ―
―あら、瑞希君じゃないの?―
頭の中で、瑞希お兄ちゃんと水月と言うお姉さんの声がリプレイする。
(あの人・・・・美人だった!)
しかも、これから会う占い師は売れっ子ナンバーワンだという。
テレビやドラマだと、すごく綺麗だったり、可愛かったりするから~もし、そうなら・・・・!?
(私の立場がなーい!!)
アタック前から、ゲームオーバー!?
〔★心配するのが遅い★〕
「到着!ついたぞ。」
「えっ!?」
考えてるうちに、私達は目的地に着いていた。
綺麗な扉の前で固まる私。
「さあ、入って。」
私を見ながら笑顔で言う瑞希お兄ちゃん。
「あ・・・・!?」
(いやだ!)
まだ心の準備もできてないのに!
(彼女がいるかもしれない部屋に入るなんて・・・・!)
「あれ?どうしたの?開けないのか?」
プルプルする私に、瑞希お兄ちゃんが首をかしげる。
(やっぱり帰ろう!まだ確認する勇気がなーい!!)
「あ、あの!私ヤッパリ!」
「ああ、そっか?まださっきの恐怖で、体が震えてんだね?じゃあ、俺が代わりに開けるから、入って!」
「え!?」
(そうじゃないよ!)
〔★瑞希は気づいていない★〕
〔★凛にはありがた迷惑だ★〕
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