遥かなる時を越えて

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「・・・・・?(なんでこんなところで寝てるんだ・・・?)」 ふと目を覚ますとそこは大きな丘の上の草原と思われる場所だった。 晴れ渡る空に花々が咲き乱れる美しい景色が遠方まで無限に広がっている。 混乱の中起き上がると視界に入ってきたのは一人の小さな女の子。 風で花びらが舞い散り、走り回る女の子がまるで妖精のように見える。 「・・・ねぇ、君は誰?ここはどこなの?」 男は女の子に支線を合わせ腰を低めて笑顔で問いかけた。 すると女の子は男のすぐ傍でくるくると踊りながら笑った。 「あはは!変なのー!なにいってるのりんりん!わたしだよー!」 私だよ、などと言われてもこんな小さな女の子に記憶はない。 しかし、りんりんという呼び方には男は何故か遠い懐かしさを覚える。 不思議に、どこか懐かしく、男が女の子の様子を見つめていると、 突然女の子は踊るのを止めた。そして、不意に男に抱き着いた。 「おっと、なんだなんだ!?急にどうし・・・」 驚く男をよそに、女の子は抱き着いたまま男の言葉を遮るように話し始める。 「ねぇりんりん、わたしね、りんりんのことだいすき。              おっきくなったら、けっこんしようね!やくそく!」 その瞬間、男の意識は途切れた。
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