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「優、ご飯出来たわよ」
一階から母親の声が聞こえた。
木下優(きのした まさる)はパソコンでやっていたゲームを中断した。マウスから手を離し、椅子に寄りかかって背伸びをした。
パソコンのディスプレイに表示された時刻を見ると、午後12時15分だった。
「このゲームも飽きたな。そろそろ違うゲーム探さなきゃな」
優はため息をついた。
今やっていたゲームはシューティングゲームで、画面上に現れる敵の戦闘機を撃ち落としていくゲームだった。
ここ三日間はご飯を食べる時と寝るとき以外はずっとこのゲームをやっていた。
彼は近所の市立中学校の二年生であったが、2ヶ月前から学校に行っていない。
いわゆる不登校である。
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