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「あらシーレン、気が利くじゃない。お願いするわ」
言葉の端々に嬉しさが滲んでいる。
本当に嬉しそう。
「総帥、お迎えに上がりました」
ビックリした!
また別の人が近くにいた。気付かなかった…。
「桐華さん。どうぞ」
「ええ、ありがとう。えーと、お嬢さん、貴女、いい素材を持ってるわ。まりあに磨いてもらいなさい」
突如声をかけられ、ガクガクと首を振り、シーレンさんがスマートに桐華さんをエスコートして、ロールスロイスへ乗り込んでいくのを、ただただ呆然と見送った。
「葵さん…大丈夫ですか?」
ホームズさんの声で、ハッと我に返った。
「あ、え、あの…」
ホームズさんが額に手をあて、
「葵さんには刺激が大きすぎたようですね…僕もちょっとアレですけど…」
と呟くのが聞こえた。
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