21.誕生

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翌日、仕事が早く終わった一樹と一緒に 香夜さんのところへ。 香夜さんは帝王切開だったので この日から母子同室になったもよう。 香夜さんのベッドの横に、ベビーのベッド?カートの様なものが置かれた。 一樹も、産まれたばかりの赤ちゃん(新生児)は珍しいみたいでジィーっとみていた。 香夜さんは、産後で辛そうだったので 早めに退室した。 病院の同じフロアには、新生児室があり ガラス越しに、赤ちゃんが何人かいて つい足を止めた。 「赤ちゃん…かわいいね。」 つぶやいた私を一樹は 「ひなたも、赤ちゃん欲しくなった?」 優しい顔でのぞき込んできた。 「ううん、自信もないし…まだいいかな?」 「俺は、どっちでもいいけど まだひなたを独り占めしたいな!」 ウインクしてきた。 ひとりじめって… 「ゆっくり、考えような!」 一樹は、私の手を握りその場を後にした。
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