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「私は、君たちが散々イジメ抜いて自殺に追い込んだ、庄司俊介の父です」
生徒たちは目を泳がせながら、互いの表情を確かめあっていた。
「私は君たちに息子を殺されました。正確には自殺したんですけど、殺されたのと同じです。学校側はいじめの事実を最後まで認めませんでした。私は幸いなことに、君たちが社会に出ても絶対に入れないような大企業の社長さんでして、スキー場を衝動買いできるくらいにお金を持っています。そこで、弁護団を雇うよりも先に、探偵やハッカーにお願いして、息子をいじめた生徒を割り出してもらったんです。君たちのスマホの中の情報は筒抜けでしたし、教室に仕掛けた盗聴器で会話は全部聞いていました。CIA顔負けって感じでしたよ」
「では次の質問ある方、どうぞ。それでは18番(金子聖佳)」
「・・・・・・ここはどこですか?」病弱な金子聖佳は背中を丸めながら質問した。
「日本のどこかです。君たちの住んでいた町から車だけでは辿り着けない場所にある巨大な倉庫の中に小さな学校を作りました。仮に教室から脱出できたとしても、次に倉庫から脱出しなければいけませんし、奇跡的に外に出られたとしても、蛇を生きたまま食える軍人レベルの生命力がなければ、自分の住んでいた町に戻れないと思って間違いないです」
「次の質問は? はい、1番(鈴木哲司)」
「目的は何だよ!」鈴木哲司は声を張り上げた。
「それは私が聞きたいくらいです。なんで君たちは私の息子をイジメたんですか? 私の息子がイジメの理由を聞いたら君たちは素直に答えるのですか? 答えないでしょ。特に理由なんて無いのだから。私も一緒です。これから君たちには先の見えない恐怖を味わってもらいます。君たちが受ける苦痛を一冊の本にしたら発禁処分になるくらいの内容にしたいと思ってます」
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