0 リア充についてちょっと考察してみる

2/3
401人が本棚に入れています
本棚に追加
/192ページ
あなたは「リア充」という言葉を知っているかしら? 現実の生活が充実している者を意味するネット造語で、起源はあの大手掲示板と言われているわ。 掲示板やブログなどで快適なネット生活をしている人間にとって、実際の生活の充実度を誇ることはあまり意味の無いものよ。だけど、いつしかこの言葉は掲示板上で自らの現実の生活の貧弱さを自虐するニュアンスで使われ出したわ。 そして自らの生活と比較し、嫉妬や羨望の対象として「リアルが充実している」人間がそう呼ばれるようになったのよ。 具体的には、張り合いのある職業に就いて、独身者は恋人に恵まれ、妻帯者は暖かい家庭を築き、ランチや週末を一緒に楽しめる友人が多いという人間が「リア充」の定義よ。あと、趣味もオタク系ではなく、子どもや老人、主婦などから共感を得られるものを持つことも重要よ。パソコンを持たず、携帯電話だけでネット生活を楽しめることも「リア充」の特性と言えるわ。 この言葉は主に、1日のうち長時間をインターネット上で使う者によって使われていた言葉だったわ。それがいつしかテレビや新聞などのメディアが取り上げることで、普通に生活している人間にとっても聞きなじみのある言葉へと昇格していったのよ。 だけど、今この言葉は本当に正しい意味で使われているかしら?ちょっと疑問が残るわ。 私が考えるに一般大衆にこの言葉が浸透する過程において、その意味が大きく方向転換したのではないかしら それはつまり「リアルが充実している」ということが「充実した恋愛ライフを送っている」という意味と間違って直結してしまったのではないかということよ。 かわいくてスタイル抜群で気立てが良い恋人、もしくはイケメンで優しくて、でもたまに壁ドンとかしてくれる恋人がいて、そのうえで楽しく充実したスクールライフを送っている人間こそがリア充であると。それ以外の人間はそうではないと。そう定義づけられてしまっているのよ。 …おかしいと思わない? みんな、もう一度よく考えてみて。 恋愛してなきゃダメなの? 恋人がいないとそんなにダメなの? その恋人がかわいかったりかっこよかったりしないと本当にダメな人間なの? 答えは否。
/192ページ

最初のコメントを投稿しよう!