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「セッテ。おまえはどうするんだ?」
「・・・私は・・・」
本音を言えば、助けに行きたい。
しかし、記憶が戻った今、自分はトーレと同じく、スカリエッティに造り出された戦闘機人でノゾミ達と敵対している『Xマジンラー』の一員。
敵対しているノゾミを助けに行くということはトーレやスカリエッティを裏切ることに繋がる。
なにより、今の自分をノゾミは受け入れてくれるのだろうか・・・
そういった様々な想いや感情が頭の中を駆け巡るセッテは今、決断できずにいた。
「・・・私は!!・・・ッ・・・」
「・・・どうやらおまえは本当に感情を手に入れたんだな・・・」
胸が張り裂けそうになりながらもセッテがそう言うなか、トーレは静かに話しかける。
「セッテ。以前のおまえはあまりにも機械的過ぎた。動作も思考も生き方も・・・」
「トーレ・・・」
「だが、今のおまえには涙を流させる程に悩ませる感情と、その感情を与えてくれた大切な友ができたんだな。」
「!?」
セッテ自身、トーレに指摘されるまで気付かなかったが、今のセッテは涙を流していた。
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