二重生活大喝采

いち

　日本最大のニュースが全国を騒がせています。
　場所は東京都渋谷区で、連続殺人事件が起こっています。
　犯人はいまだに逃走中…
　毎回女性が狙われ、首に後がついていることや、内蔵がえぐられてるなどの悲惨なものまで様々であります。
　そこで、政府から女性の自宅謹慎を命じる方針を示して…

　そこで、テレビを切った。
　何を隠そう犯人は僕だからだ。
　僕は昔から部屋にひきこもって暮らしてきた。
　その訳とは、両親が断固として外に出さなかったからだ。
　両親は潔癖で神経質であり外の菌が移ると出してもらえなかった。
　僕も神経質な所があり、シンメトリーじゃないと許せなかった。
　アシンメトリーを見つけると暴れた。
　そう、担任の先生の髪の長さ、ほんの数ミリ違っただけで切ってしまったことがある。
　それが問題となり、ひきこもりは続行された。
　しかし高校入学を気に思いきって外にでてみた。
　両親の事故死により、ひとりで生活することとなったからだ。
　初めての学校生活。
　なぜか、女からの告白があとをたたなかった。
　外見の良さと、ミステリアスな感じが良いのだと噂で聞いた。
　僕は、初めて女性の甘さを知ったし、優越感に浸っていた。
　友達というのはできなかった。
　外に出て知ったことがある。
　その出来事が、僕を殺人鬼にしたてあげた。
　僕は二重人格である。
　ひとりは神経質でシンメトリー好きの僕。
　そしてもうひとりは食べるということだけをインプットされた化け物のような。
　ゾンビだった。