春染

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「売店の場所わかるの?」 持ってきた薄手のカーディガンを羽織りながら聞くと、遼はパンフレットを開いた。 「んー、まぁこの地図見れば…。 あっ、1階だって。結構広そう」 近くの階段を使って1階まで降りた。 地図を持った遼を頼りに付いていくと、まだ空いている売店を発見した。 「凄いね…何でもありそう」 スーパー並みに、とまでは行かないが、コンビニみたいな感じだ。 「おぉ…すげえ」 遼は目を瞬かせ、売店内をまわりはじめた。 「んー。やっぱりパンかな」 遼はたくさんの種類のパンが置いてあるコーナーに立って悩んでいた。 その後ろにはおにぎりやら弁当やらのご飯系のが並んでいる。 私もお菓子類を見てみる。 ちなみにお財布は鞄に置いて来ちゃったけど、定期入れの中にいくらかお札を入れていたのでそれで買うことにした。 初めての売店…… 買わないのはもったいないっ 「よし、“焼きそばこしあんクリームwith唐揚げ”を買おう」 withってなんだwithって… 凄いネタパン… 本気で食べるつもりなの…? ちらっと遼を見ると、その顔は楽しそうだ。 …本人は楽しそうだし、いっか 私はそっと目を逸らすと、お菓子を幾つか小さなカゴに入れ始めた。 数10分後。私のカゴは大量のお菓子で溢れ、遼に大爆笑されました。 お金の無駄遣いと言われようと、私はこれを食べるのだ…! お菓子好きなのです、はい。
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