春染

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つ、ついた…。 1年5組と書かれた教室に入った。 もう既に沢山人がいて、物凄く騒がしい。 その上、やはり男子ばかり。 女子は今のところ3人しか居ない。 黒板に貼られた席表を見て、窓側の真ん中の席に座った。 か、隔離されてる…。 見事に私の周りに女子がいない…! きっと名前順なんだろうけど! 女子は女子で近くにしようとかなにか配慮は無かったんだろうか! そしてなぜ相川さんなんだ!"あ"じゃ、廊下側一番前じゃんか! 相川さん一番遠いじゃんか! しかも他のふたりも、上野さんと榎本さん! う、え、じゃんか! なんでみんな"あ"行なんだ! 私ぼっちじゃんか! …と、心の中で叫ぶも、そんな声が誰かに届くはずもなく。 担任らしき人が来るまで、ウォークマンで音楽を掛け、イヤホンで耳に蓋をした。 騒々しさが消え、私は机に頬杖を付いて目を閉じた。 …そう、ちょっとだけ寝るだけのつもりだったんだよ。 うん。
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