春染

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夢を見てた気がする。 なんだっけなぁ。 なんか、とても幸せな夢だったんだけど ―――――――――――― ――――――― 「柊、起きなさい」 はっと、確実に落ちていた頭を上げ、前を向くと、担任の先生らしき人が目の前にいて、こちらを見ていた。 先生の右手には私のイヤホンが。 周りの男子が笑う。 馬鹿にしたような笑いだった。 こんな格好のせいだー… 「おはようございます…」 眠たげな目を頑張って開けながら、挨拶すると、先生は呆れ顔になった。 とても若い先生だった。 イヤホンを返してくれて、そのまま教卓へ戻っていった。 「とりあえず今日のHRは終わりにする。 午後から入学式だ、それまでは自由時間」 …え、そうなの? 普通に午前からじゃないんだ…
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