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私が迷っていると、『神』が言った。
「実は別の神と賭けをしておってな」
「賭け、ですか」
(神様が賭けなんかするのか?)
私は疑念を持った。
「現代人は『忍耐力がなさすぎる、すぐに音を上げる』とワシは考えている」
「ところが別の神は『そうではない、忍耐強い』というのじゃ」
「そこでお前に試練を与え、どちらが正しいか賭けることにしたのじゃ」
「試練…」
「お前が音を上げればワシの勝ちじゃ。さて、どうする?」
(仕事が欲しい、自分は昔から忍耐強い方だ、やるしかない)
「仕事が欲しいです、ぜひやらせて下さい」
「忘れるな、音を上げたら死ぬんだぞ」
「わかりました」
すると『神』はスっと消えてしまった。
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