sweet * sweet * sweets

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 長い時間を一緒に過ごした。学生時代は抜け切らない不安もあったが、社会人になる頃には様々な面で安定して、心変わりすることはないだろうと安心しきっていた。それなのに、今更あいつは男との恋愛など間違いだったと言うのだろうか。  俺は取り返しがつかないくらいの気持ちと時間を捧げたのに。こんな仕打ちはあんまりだ。  どうせ捨てるなら、なんで告白なんてしてきたんだ。なんであの時、話し掛けてきたんだ。  最初からなかったことにしてしまいたい。最悪の結末なんて、欲しくないから。  ぎらぎら。ぎらぎら。  昔あいつと見た満天の星空と違って、街のイルミネーションは眩しすぎる。イブの恋人達をより一層明るく照らし、ひとり歩く男に影を落とす。  この気持ちを何にぶつければいいのか分からず、安易に酒へ逃げた。バーで酒を呷ると少しだけ勇気が出る。  どうしても決断しきれずに今日まできてしまったが、選択肢はひとつしかない。別れる。 『あんたのせいで、俺は死を選びます。さようなら。』  酒で気が強くなった俺は、そんなふざけた文章を打ってメールを送信した。いたずら心を利かせて、ちょっとくらい罪悪感に苛ませてもいいはずだ。  笑みを零してから、ずんと胸が重たくなる。もう俺のことを何とも思っていないあいつが、こんなもので罪悪感なんて抱くだろうか。隣にいる彼女と嘲笑っているかもしれないと想像すると、ひどく惨めに感じた。
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