第22章

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しかし、志津子は何も言わず風呂で痛くて流せない背中を洗い、薬を塗った。 重箱の食事は柔らかく煮たものが中心で、薄味で美味しかった。 食べていて涙が流れた。 肉親や友達に言えない。 目の前にいるのは、一度会っただけのカイトの大叔母。 でも、不思議な安らぎだった。 他人なのに、身の回りを丁寧に見てくれた。 頼みもしないのに服をたたみ、枕元に水を用意してくれた。
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