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「何やねんこれ!」
ジムが叫ぶとまた激痛が走り、血が飛散した。付着したそばから、血はゴミ箱を目指し始める。
「どうせ、さっきと同じ結果やろうが!」
ジムは痛みに負けじと叫びながら、長方形増大の最前線、下辺を見た。
「何やねんこれ」
ジムは驚愕する。
「『何やねんこれ』って、ワイが今言うたことやないか。それに『ジムは驚愕する』やと?」
世界方程式に、今自分の言った事が、行動が、直ちに書き込まれていく。
次第に杭に仕込まれた毒の回ってきたジムは、更に吐血し、悶絶した。
「毒やと!?」
ジムは世界方程式の文章を反芻し、絶望した。死ぬのだ、と。
世界方程式を破壊しようと企てる所まで、世界方程式は予想済みだったのだ。ジムがこのタイミングで結婚を望む事も、その先に死ぬ事も。
そこで、この文章の書き込みが止まる。ジムの動きが止まったからだ。ジムはそう理解した。今なら世界方程式へ命令も通るだろう。しかし、もうその必要もなかった。
「これにて、世界は平和になるんやな」
そう言い残し、ジムは絶命した。
すぐさまジムは、一直線にゴミ箱へと向かった。
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