ゲーム大会

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 ついにこの日が来てしまった。  「今日はみんな集まれそうだよ。ジェーンにサリ、ユジローと美束、それとあとは菖蒲」  女の子ばっかりだけどいいよね? と。キルコは朝の食卓でオレンジジュースを飲みながら笑った。  ああそのジュースをこぼして服にかかったから落ち込んじゃった今日はやめようとか言ってくれないかな。  と、壮介は切に願いながらも、もし本当にこぼしたとしてもキルコがそんなことを言うはずがないと軽く絶望。  「楽しみだね、壮介」  そう、今日はキルコが発案、手配をした菖蒲の親睦会(ゲーム大会)の日である。何の滞りも無く開催されることになってしまった。  「楽しみなのか、キルコ。よかったな……」  もはやこうなってしまったら、キルコが楽しそうで何よりだ、と。そう嘆くしかない。  「でも、そんなに人数集まって何をやるんだよ。しかもゲームって、ジェーンさんとか絶対やったことないだろ。それで罰ゲームとか言い出したらさすがに不公平じゃねえか?」  どうせあるんだろ罰ゲーム、と。今さらだが、最もな意見を投げかけるも。  「人数に関してはちょっと考えてあるから大丈夫だよ。で、他の小っちゃなことは後で考えよう」  ものっすごく適当な企画者キルコであるが、しかしこれで何とかなってしまう未来しか見えないのが悔しいところである。  実際、ジェーンならゲームでもなんでも何とかなりそうだし、ユジローもサリも何とかなりそうオーラを放っている感じがしてしまう。  「大丈夫だって。ほら、そろそろ菖蒲のとこに行こっ」  何が大丈夫なのか、無駄にポジティブなキルコは食器をシンクにささっと置いた。行く気満々である。  ……もはやしょうがない。  (やれることをやり尽して俺が負けないようにすればいい)  密かに壮介は画策。  まずは買いだめしておいたインスタントコーヒーのパックを三つほど手に取った。その量、20人分以上。  さらに冷蔵庫。わさび、からし、そして唐辛子。刺激的な調味料をバックへぶち込む。  番外戦術上等。ダーティープレイに身を落としてでも罰ゲームを避ける覚悟が、壮介にはあった。
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