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「じゃあ、また明日」
「ばいばーい」
友達と遊んだ帰り。
家の前で手を振って別れを告げる。
1人暮らしのアパートの玄関を開け、自分が中に入り再び鍵を閉める。
そのまま、私は玄関にうつ伏せに倒れこんだ。
「あー…疲れた…もうイヤだ…」
つい気持ちが口からこぼれる。
今週も色々あったなぁ。
そろそろ発散しないと、何かが切れてしまいそうだ。
そう考え、立ち上がって自分の寝室に。
着ていたスカートとキャミソールはその辺りに脱ぎ捨てて、部屋着にしているジャージを着ると、 ベランダ側の窓を開ける。
「…OK。よいしょっと」
一応周りからの視線を確認する。
誰も見てないようなので、そこから外に出てベランダへ。
直ぐ横には隣の部屋との間に簡易な壁が作ってある。
しかしそこには隙間があって、細身の私なら何とか通れてしまう。
隣の部屋のベランダまでつくと、その部屋の明かりがついていることに少し安心する。
窓を2度ノックし、返事が返って来る前にガラッと開ける。
「あ?また来たのか」
「いいでしょ別に。おじゃましまーす」
その中からは男の子の声が。
私が入ってきたのを見て、マンガを読んでいたらしい彼は明らかに不満そうな顔をした。
「ふぅー。コーラある?」
「お前が買っとけって言ったんだろ。金払えよ」
彼の言葉も無視して、私は冷蔵庫に直行。
そこには私の頼んでおいた缶コーラが。
「あったー。どもどもー」
「それで?またいつものストレスでこっちきたのか?」
マンガをパタンと閉じて置いた彼。話を聞いてくれる態度に、待ってましたとばかりに私は彼の前に正座する。
「そうなんだよ!いい子ぶるのって本当に大変でさー。今日遊んだ男子も、私のこと高根の花とかいうんだよー?」
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