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「まぁ、今は石井がいるからいいかなー」
「お前、それなんか告白みたいだぞ」
…冷静に思い返し、ちょっと焦る。
たしかに、そう聞こえなくも無い。
「あ、違うよ?ストレス発散場所って意味だよ」
「分かってる。何一つお前に勝てない俺に、好意を持つわけないからな」
その言葉にはムカッとした。
私は石井を頼りにしてここに来てるのに、それを否定された気がして。
石井って優しいし男らしい部分いくつもあるのに、ネガティブなのが欠点だよね。
「別にいいじゃん勝てなくても。あ、私と付き合いたくないって遠まわしに言ってる?」
「何でそんな飛躍してるんだよ。さすがに俺と氷室は合わないって言ってるんだ」
それには更にキレてしまう。
何よ合わないって。
自分の事なんだと思ってるわけ?
「訳分かんない!石井も結局優劣つけたがるわけ?」
「客観的な意見だろ。俺とお前が付き合ったら、周りはどう思う?」
いつも受け入れてくれてた素の私を、今日の石井は何故か否定してきた。
それが悲しくって、ついムキになってしまう。
「じゃあいいよ!不良生徒の石井の所になんかもう来ないから!」
「別にかまわねーよ。お前がどこかでストレス発散できるなら」
…止めてくれたっていいじゃん!
石井のバカ!
その言葉を最後に、私は窓から飛び出して自分の部屋に。
何故こんなに怒ってるのかも自分でわからないまま、布団にもぐりこむ。
声を出してストレスは発散できたものの、別の大きなモヤモヤが残ってしまった。
…このモヤモヤは何処で発散すればいいのかな。
てか、これは何?
訳の分からない感情を抱えたまま、この日は寝ることが出来ずに彼の事ばっかり考えてしまった。
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