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「そういう事なんですよ。ミユキさん、本当にごめんなさいね」
「いや、もういいです…」
「そうだミユキ、詫びの品とまでは言わないが新薬を無料、無償でくれてやろう」
「ミリでも詫びる気があんならその上から目線止めな。それに前から言ってるけど変な実験する気無いから」
「変な実験とは失礼な。今回の新薬は非常に画期的な発明なんだぞ?それに、安全性は既に私とサエで検証済みだ」
「はあ、サエ…さんも、ですか?」
「はい、何ともありませんでした」
「ふーん。ちなみにどんなの?念のため言っとくけど絶対飲まないからね」
「名付けてリア充発見菌だ。服用すると自分がリア充か否かが分かる」
レンはこれだ、さあ飲めと言わんばかりに錠剤の入った瓶を取り出したが、ミユキは思いっ切り一歩下がって見せた。
「残念ですが、私とレンさんは非リア充だったみたいで。彼氏さんと上手くいっているミユキさんなら違った結果が出るかと思ったんですが…」
「2人はどうなったの?」
「私とサエは何とも無かった。私の見立てでは脳内の幸福物質と化学反応を起こして何かが起こる筈なんだが」
「何かって…名前と言いすごく嫌な予感しかしないんだけど」
「ミユキさん、冷たい事言わずに一粒飲んで下さいませんか?飲んで頂けたらスイーツ奢りますよ?」
「なあミユキ、お願いだ。リア充発見菌、飲んでみてくれないか」
妙にミユキににじり寄る2人。ミユキは彼女達の意図を何となく察し、両手を突き出して拒否の姿勢を取る。
「爆発したりはしないと思うぞ。さあ」
「思うぞって何!?やっぱドラミちゃんじゃん!」
それ以来、ミユキはレンの家で一切の飲食を断り続る事にした。それでも彼女がレンと縁を切らないのは、昔からこんなノリだったからかも知れないが、やはり嘘発見菌に助けられたからであろう。
「ミユキさん、ケーキバイキング奢りますよー」
「商品化すれば無論金になるぞ。さあミユキ、飲め。飲むんだ」
「惚れ薬でも作ってろ!非モテ共!」
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