4人が本棚に入れています
本棚に追加
「確かにそう言う事も無いとは言い切れない。人間の体質は千差万別だからな。見返り等は要らないし、無理にとも言わない。最も、既に一度飲んでしまっているから、余り気にしても仕方無いだろうが」
「うん…あたしやるよ…逃げらんないから」
「ではもう一包渡しておく。そこそこ貴重な物だから、今回限りだぞ」
レンは嘘発見菌を確かに一包、ミユキに手渡した。ミユキは来たるべきその時を想像し、決意を固め、嘘発見菌をギュッと強く握った。
「おいおい、保管はなるべく冷暗所で頼むぞ」
「分かった。レンありがと。今日はもう帰るね」
「健闘を祈る」
素っ気無いやり取りを最後にして、ミユキはレンの部屋を出た。ミユキが玄関で靴を履いている最中、レンの母親がミユキに声をかけた。
「ミユキちゃんもう帰るの?もっと居ても良いけど」
「今日はもういいです」
「そう。ミユキちゃんだけがレンの友達だからね。何時もありがとうね」
「あ、はい。お邪魔しましたー」
バタン
「あれは嘘じゃないんだ…」
嘘発見菌の効果時間が残っていたせいで、余り快く無い情報まで知ってしまったミユキ。ミユキとレンは長い付き合いなので、分かってはいたのだが。帰り道、ミユキは極力人の少ない道を選んだ。
最初のコメントを投稿しよう!