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「実は……が、水揚げされた……気味が悪くて……手放そうとしないんだ……、新米でも何でもいい……してくれないか?」
店の賑わいのせいで、よく聞き取れない。
おやじさんは漁師の1人に獣皮紙を渡し記入をさせていた。
あれは冒険の依頼用紙。
断片的に聞こえた、話から新米の私でも受けれる依頼かも知れない。
私の胸が躍る。
「何かありましたの?」
さっきのド派手な女性だ。
目を輝かせて、依頼用紙に視線を落した。
先を越されたか。
「俺も興味がある。是非お話を聞かせてください。」
リオさんも依頼用紙を覗き込む。
丁度、依頼用紙をかき終えて金貨の入った袋をおやじさんに手渡したところだった。
「あら? あなたは? 私はドゥーラ。新米冒険者よ。」
ド派手な女性がリオさんに向かって言った。
そうか、ドゥーラっていうんだあのおばあちゃん。
「何? 仲間はいるのか?
居るなら、頼みがあるのだが……。」
漁師さんは藁にもすがる思いみたいに、ドゥーラと名乗ったおばあちゃんにすがる。
おばぁちゃんはリオさんに向かって、
「これはどうやら仕事の依頼が入ったみたいよ。
昔に見たことあるわ。
どんな仕事なのかしら。」
如何にも心ウキウキと言った感じだ。
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